
子育てのヒント
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指先を使ったあそび
手を使うと頭の働きに良い刺激をあたえます。幼児期には脳の構造の90%が育つと言われています。
また、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の中で手を使う触覚は意識しないと刺激されないので、手はできるだけ使うようにしましょう。
では、幼児期の日常や遊びの中で指先を使う例を紹介しましょう。
開け閉め
幼児は繰り返しの行動が大好きです。
繰り返し同じ動きや行動をすると、「集中力」や「技術力」がアップします。
子どもがファスナーや金具などの開け閉めをしている時は、「集中力」を発揮しているところなので、声をかけずにそーっと見守ってくださいね。ファスナーファスナーは両手を使うことが大切です。
利き手でファスナーを使い、反対の手で「押さえる」ことを忘れないようにしましょう。きっと上手になりますよ。バッグいつもお出かけに持って行くバックのファスナーは、出来るだけ子ども自身に開け閉めをさせましょう。
時間がかかってもイライラしないでじっくり見守り、待ってあげてください。衣服子どものシャツやズボンについているファスナーや、人形の洋服のファスナーは機会があるごとに、子ども自身でやってみましょう。
親や兄弟の洋服の背中にあるファスナー開閉のお手伝いも良いですね。靴靴にファスナーがついている場合は、外に行きたい一心で上手に開け閉めできることが多いようです。
「靴を自分で履こうね」、履けたら「上手に履けたね」と必ず誉めてあげましょう。金具開閉に使う金具は部品が小さく、扱い方も様々です。
子どもが使いたがったらやり方を教えてあげてもいいですし、壊れる心配がなければ、やり方を考えさせても良いですね。靴ストラップの先の金具をリングに引っ掛けるタイプの靴や、靴ひもの先が金具になっているタイプのものがあります。
小さい部品なので1~2歳のうちは難しいかもしれません。
自分でできるくらい指先が使えるようになってからが良いでしょう。箱「木箱」や「オルゴール」、「お菓子の入っている箱」などに留め金として金具を使っているものがあります。
子どもが大切にしているおもちゃや宝物、秘密の物を金具のついている箱の中にしまっておいたら、謎めいていて素敵ですね。
自分で手を使って出し入れしだしますよ。かぎかぎ(キー)はなくさないよう、しっかり管理することも大切ですね。
大切にしまってきちんと覚えておくことも教えてあげましょう。玄関・窓玄関や窓の鍵は大切なもので、遊びに使うものではありません。
家族のルールをきちんと決め、それを守るように伝えましょう。
おもちゃに使用されている鍵は大いに遊ばせてください。
手首をひねり、回すので手の巧緻性が発達します。箱・バッグ箱やバッグにも鍵がついているものがあります。
子どもの大切なものをしまっておけば、鍵を開閉するときに頭と手を使いますね。留め外し
マジックテープマジックテープは留め外しがとても簡単なので、子どもの身の回りにはたくさんあります。
いろいろ探してみましょう。バッグマジックテープは簡単に操作できるので、バッグについていれば、小さな子でも自分で開閉できます。衣服マジックテープははずれやすいので、洋服で使われていることは少ないですが、自立の第一歩として、パジャマなどにマジックテープをつけて「自分で脱ぎ着をする」習慣をつけさせるのも良いですね。靴操作が簡単なので、マジックテープのついた子ども靴は多いです。
自分でマジックテープをつけ外ししてすぐに靴を履けるようになるでしょう。
大人は手を貸さず、ひとりでできた達成感を子どもに味合わせてあげてください。スナップスナップボタンは穴が小さいものが多く、子どもには難易度が高めです。洋服・パジャマ服やパジャマのスナップは着用してから操作するため、子どもには難しいものです。
購入する時はできるだけ〈大きいスナップ〉を選んでください。
時間をかけても、パチッ!と留められたときはとても嬉しいですね。ボタン月齢が大きくなるにつれて、ボタンの大きさを小さくしていくと良いでしょう。洋服・パジャマはじめてのボタンかけは、ボタンが「大きく」、数が「少ない」ものを用意しましょう。
ボタンかけの順序は
1.ボタンの端をボタンホールめがけて入れ
2.反対の手で穴の中からボタンをつまんで
3.引っ張って(ねじって)
4.初めにボタンを持っていた方の手でボタンホールをボタンにかぶせる
と多くの工程があるのでかなり高度な作業になります。
大人は早くできるようにさせたいと思いがちですが、無理は禁物です。
子どもが自分から「やってみたい」と言い出すのを待ちましょう。
そのとき来たら、気長に、気長に、見守って応援してあげてください。回す
手の巧緻性は手首がよく回る方が発達するようです。
手首が柔らかく動くようになると、細かいところまで上手に色塗りができるようになったり、モールをねじったり、雑巾を絞ったりできるようになってきます。
「手首を回す」動作は、日常意識しないと動かさないものなので、繰り返し使うことをおすすめします。ハンドル通常の回すハンドルは、開けるときは左に回す(反時計回り)、閉めるときは右に回す(時計回り)のが標準です。ドアのノブ最近はノブを回すタイプのドアは少なく、レバーの上下で開閉させるタイプがほとんどのようです。
回すタイプのドアノブを見つけたら、積極的に子どもに手首を回して開け閉めさせましょう。水道の蛇口水道の蛇口も回すタイプは少なくなっています。
ただ、幼稚園や小学校では回すタイプの蛇口が多いので、使えるようにしておきましょう。
また自動の蛇口に慣れているせいか、出しっ放しにしてしまう子を多く見かけます。
資源を大切にするというしつけの面からも、水を出すこと、止めることを幼児期にしっかり教えておきましょう。ふた回すふたも、開けるときは左に回す(反時計回り)、閉めるときは右に回す(時計回り)のが標準です。
ビン・缶・ペットボトル・水筒どんちゃかの授業で「対」(つい)というテーマがあります。
ビンやお醤油差しやペットボトルや密閉容器のふたをバラバラにし、合いそうなものを見つけます。
合うものが見つかったらそれを『ピッタンコ!』という掛け声で閉めるという活動です。
ネジのあるふたを四苦八苦して閉めたり開けたり・・・子どもにとっては楽しく、かなり長時間集中して遊びます。
頭を使ってピッタリ合うふたをさがし、手を使ってピッタリと閉める、まさに「指先を使ったあそび」ですよね。
ご家庭の空きびんやペットボトルで是非あそんでみましょう。ねじる
「ねじる」動作は子どもにとってはかなり難しいことです。
利き手だけでねじる場合もありますが、右手と左手を同時に反対の方向に回すことは、かなり難易度が高くなります。
たくさん体験してできるようになると、手先の巧緻性が発達し、いろいろな工作等にもチャレンジできるようになってきます。飴の包み紙子どもはキャンディが大好きですよね。
子どもに「あけて~!」とせがまられると、すぐ開けてしまってはいませんか?
子どもが手を使うチャンスを奪っていますよ。
「開けないと食べられないよ」と声をかけてあげれば、何とか頭を使い、工夫をして「ねじって」開けられるはずです。包装用(袋)のワイヤータイパンの袋やおやつの袋、総菜の袋を止めるのに、ワイヤータイがよく使われています。
子どもにとってはワイヤーを外すことより、ねじって留める方が簡単です。
家庭でパンやクッキーを手作りした時、小分け袋の口をワイヤータイで留める係りを頼んでみてはいかがでしょうか。
またお誕生会やクリスマスパーティーのお菓子の袋詰め、モール付けなどもやってもらうと上手になりますよ。つまんで分ける
豆やおはじきなど、こまかいものを扱うときは、飲み込んだりしないように注意しましょう。
大人が近くにいて見守ってあげてください。ミニトマト・粒状のお菓子食事の配膳準備のお手伝いに、ミニトマトの盛り付けをお願いしてみましょう。
みんなで食べるお菓子を、一人ひとりのお皿に盛るのも良いですね。
3歳くらいからお手伝いができます。
手の巧緻性が高まり、家族の役に立てた喜びを味わえるはずです。ボタン・おはじき・豆おはじきやボタンで移しっこゲームをしてみましょう。
お皿を2つ用意し、片方のお皿に入ったおはじきを空のお皿にひとつずつ摘まんで移し替えるゲームです。
時間を測って、ゲーム感覚で親子対決や兄弟対決をしてみると楽しいですよ。
スプーンや箸を使って難易度をあげても良いですね。通す
利き手で紐を持ち、もう片方の手で穴のあいた方を持つ、「両手の協応」動作です。
しっかりねらいを定めて集中しないと紐は通りません。
子どもが集中している時は、声をかけずにそーっと見守ってあげましょう。ビーズ通し※小さいビーズや飾り玉を飲み込まないように、安全には十分に配慮してください。
小さい穴を目がけ紐を通して、ネックレスやブレスレットにする遊びです。
作品ができあがったら褒めてあげてくださいね。ボードの穴通し穴がたくさん空いたボードに紐を通し、思い思いの模様を作ってあそびます。
また見本をみながら、同じように模様を作っても良いです。
これは紐がどのような軌跡で通っているのか、頭をフル回転しないとできない難しいゲームです。 -
食事づくりのポイント
3歳からは食の習慣作りを
3歳になると言葉によるコミニュケーションができるようになり、「がまん」をする力もついてきます。
少しづつ食事のマナーを教えていきましょう。
「いただきます」や「ごちそうさま」の挨拶をする、食事中は座って食べる、食べ物で遊ばない、食後は歯磨きをするなどです。
また、歯も出揃い、噛む力も発達してきますので、ほぼ大人と同じ食事内容になってきます。
好き嫌いも出てくる頃なので、苦手な食べ物も少しづつ食べられる様にし、食べることの楽しみを知らせていきましょう。子どものための食事作りのポイント
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食べられなかった食材にもチャレンジ!
香りの強い野菜(ねぎ・ピーマンなど)・生野菜・お刺身なども無理せず取り入れて見ましょう。 -
いろいろな味にチャレンジ!
量も増やしていきましょう。
ドレッシングやポン酢やレモン汁などの酸味にも慣れていきましょう。
また、外で遊ぶなど運動量が増えてきます。
それに伴い食事量も多くしていきましょう。 -
いろいろな形・大きさにチャレンジ!
噛む練習をするためにも、2歳の時より大きめに切りましょう。
切り方も工夫して、いろいろな形にすると食欲もわいてきます。 -
大人より少し柔らかめに調理しましょう。
まだ大人より噛む力が弱いので、汁物・煮物は最後にひと煮立ちさせます。
炒めものは水を足して炒め、食卓でほぐしたり、つぶしたりすると食べやすくなりますよ。
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食べられなかった食材にもチャレンジ!
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子どものしかり方
しかること
子どもにはしてはいけない事を教える必要があります。
ときには理屈ではわからないこともあるので「しかる」ということで教えます。怒ると叱るは違う- 感情的になり、自分のイライラをぶつける言動を「怒る」といいます。
- 「叱る」とは相手を正しく導くために、注意したりアドバイスしたりすることをいいます。
昨日は大丈夫だったのに、今日は親の機嫌が悪くて怒られた、などということがあると、子どもは混乱して何をしていいのか分からなくなります。
理由もわからず感情的に怒鳴られたり、理不尽に否定されたりすると、大人に対しておびえるようになり、考えることをやめてしまいます。
「怒る」ことは子どもにとって、決して良いことではありません。
子どもは正しく「叱って」ください。子どもの叱り方
子どもを叱らなければいけないときは、落ち着いた態度で、言葉に感情を乗せず、きちんと理由も一緒に、あいまいではなく具体的にいけないことを伝えます。叱るときはこんなとき危険 ・社会のなかでいけないこと ・家庭の方針に反していること子どもが行動してしまってから「これは叱るところだろうか」と考えていては間に合いません。
できれば、子どもの成長の少し前に、家庭で大切にすることを両親で一致しておくと良いでしょう。
たとえば次のようなときはしっかりと叱り、今度はどうしたらいいかをきちんと伝えましょう。-
突然道に飛び出してしまう
子どもが危険な行動をとってしまったときは、迷わず大きな声で制止してください。
そして絶対にしてはいけないこと、なぜだめなのかの理由を伝え、二度としないことを約束し、次はどのように行動するかを分かりやすく伝えます。
必要であれば、道路に出る前に止まって安全確認する、ということを親子で練習しましょう。 -
人のものを取ってしまう
人のものを取ってしまうことはいけないと、繰り返し伝えます。
相手の立場に立って、自分が取られたら嫌だよね?と理由もわかるように伝えましょう。
お友だちのおもちゃなら、貸してほしいという気持ちを伝える方法を教えたり、お店の売り物なら、勝手に取ってはいけないこと、大人に相談することを教えましょう。 -
嘘をつく
子どもの言うことが嘘だと分かっていても、本当のことを言うまで追及することが必ずしも正しい対処法ではないこともあります。
ただ、嘘をつくのはやめようとご家庭で決めていたら、それを子どもに常に伝え続けることが大切です。
また、子どもが嘘をつかずに済む関係をつくることが最も大切です。
信頼し安心できる親子関係を築く
いくら言っても言うことを聞かない、普通の声量で言葉だけで言い聞かせても直らないなど、大変苦労され、悩んでいるお父さんお母さんもいるかもしれません。
ときには身近な先輩パパママや、幼稚園・保育園の先生に相談しても良いと思います。
反抗期の子どもに対しては、真正面から向き合わない方が良いこともあります。
上手に気を逸らして、やり過ごすことも一つの対処法ですよ。
子どもが親を信頼し、家庭を安心できる場所にするために、「叱る」は大切なコミュニケーションです。
子どもは一度言っただけでは分かってくれないことは普通のことです。
とても根気のいることですが、「どうしていけないのか、どうしたらよかったのか、次はこうしよう」と粘り強く、繰り返し伝えていきましょう。
子どもの気持ちをよく聞いたり、共感して「お父さんお母さんもあなたの気持ちがよく分かる」と伝えることも大切ですね。 -
わが子をほめられますか?
子どものできないところに注目しすぎていませんか
幼稚園・保育園前までの保護者に「どんなお子さんですか」とたずねるとすぐにほめ言葉が返ってきます。「好き嫌いなく良く食べるんです」ところが幼稚園・保育園に行くようになると、親御さんの口からはマイナスな言葉が多くなります。
「良く笑います」「人見知りして人前で話さないんです」どうしてでしょうか?
「のんびり屋でだらだらしていて…」
3歳を過ぎると自我が芽生えるとともにできることも増え、だんだんその子の性格が見えてきます。
また幼稚園や保育園という社会の中に入り、親が他の子どもと比較できるようになるんですね。
比較すればおのずと、よその子の良いところに目が行き、わが子のできないところを並べてしまいがちです。
さらに輪をかけてその時期の子は親の言うことを聞かなくなるので、余計に「困った子」という印象が強くなってしまいますね。
でも、子どもはそれがまさに成長の過程であり「あるがまま」なのです。
なのに親の感じ方が変わってしまうことで、子どもの方が親の態度の変化に戸惑っているのです。「ほめる」ことで良い成長のサイクルを
子どもは絶対的にお父さんお母さんに「ほめて欲しい」ものです。
ほめられれば嬉しくなり、プラスのエネルギーが出てきます。
それは成長しようというエネルギーです。
ほめられることで、がんばった成果があったと確かめられ、またがんばるようになります。
親のほめ言葉は子どもの成長のきっかけでもあり、原動力なのです。効果的なほめ方は「具体的に」
では、やみくもにほめるのではなく、効果的なほめ方を実践してみましょう。- (承認)「すごいね!」「よくできたね!」
- (何が良いのかを明確に)「ご飯の前に一人でお片付けできたね!」
- (なぜ良いのかの理由)「片付いていると気持ちよくご飯食べられるし、すぐにお風呂に入れるよね」「お母さん、早くご飯が食べられて助かったよ」
また、結果ではなくプロセスを認めてあげてください。
できた事柄をほめるのではなく、できるまでがんばったこと、取り組もうと行動したことをほめてあげましょう。
このときに誰かと比べることはしないように注意しましょうね。NG:「○○ちゃんみたいにできたね」「○○ちゃんよりも早かったね」そして第三者に伝えてほめるのも効果的です。
とくに、子どもの良いところはその場にいなかったお父さん・お母さんにも伝えて、子どもの成長をみんなで共有して喜びましょう。
今日から、お子さんを一日1回以上、ほめてあげましょうね。
特に3歳過ぎたら意識的にほめポイントを探して、言葉にして伝えてあげてください。 -
子どものほめ方
できるようになりたい!子どもの成長
人間は今日の自分より明日はもっと大きくなっていたい、変わりたいという欲求があります。
できないことことができたとき、自分の思うように行動できたときなど、子ども自身も嬉しいものです。
それを周りがほめてあげると、そこで完結せずにもっと進歩したいという向上心が芽生えます。
ほめることで脳が活性化し知的発達も向上します。「ほめじょうず」になるには
「ほめじょうず」と言いますが、上手にほめるためには子どもの今の状態を色々な角度で知っていることが大切です。
わが子の「もう少しでできること」がいくつ言えますか?
それは偏ってはいませんか?
幼い子でも自分の今の課題は無意識ながら理解しています。
それを親もわかっていれば、ほめて欲しいときにほめてあげられます。
何をいつほめるかがとても大切だということですね。
また、どんなことをがんばって欲しいのか、ほめることによって大人の期待を伝えることができます。
子どもが何気なく行ったことをほめられ、その行動の重要性を理解するようになるということなんですね。ほめるときは愛情一杯!
ことばをつなげて、ただほめたらそれでいいのでしょうか? いいえ違います。
ほめるときは愛情をいっぱい込めてほめましょう。
ほめるということは愛情の現れでもありますし、子どもにとっては認めてもらえたことによる信頼の気持ちが育っていきます。
それが子どもの情緒安定にも役立ちます。 -
絵本の読み聞かせをしていますか?
子どものそばにいつも絵本を
絵本は知的能力を育てるだけでなく、さまざまな素晴らしい良さがあります。- 「語彙が増える」
- 「情報が豊かになる」
- 「親子のスキンシップがとれる」
- 「生活面のしつけが身につく」
- 「決まった時間に読み聞かせると、生活のリズムができる」
絵本はいつでも子ども自身が取り出しやすい所に置き、身近な存在にしましょう。
また、「毎日」「決まった時間に」「決まった場所で」に絵本の読み聞かせをする習慣をつけましょう。読み聞かせについての Q&A
絵本にまったく興味を示さないのですが…
最初は興味を示さなくても大丈夫。話の内容を理解しないで、どんどんページをめくってしまうのですが「めくる」動作がおもしろいのでしょうね。
2歳前後まではどんどんページをめくってしまってもかまいません。
めくるのを止めないようにしましょう。
読み手は開いたページの絵に合わせて、話をくりひろげてみてください。
3歳を過ぎると「次はどうなるの?」「○○ちゃんかわいそう」などストーリーにも必ず興味をもってくるはずです。
短い話なら充分理解できますので、読み聞かせを繰り返し・繰り返ししていきましょう。
話の内容が理解できなくても、小さいころからの親との「絵本タイム」を楽しむ習慣がとても大切です。いろいろな絵本を読んであげたいのですが同じ本ばかり読みたがります。同じ絵本でもおおいに結構です。
例えば、電車が好き・怪獣が好き・動物が好き・アンパンマンが好き、それぞれ個性がありますよね。
親は子どもの好きなこと、得意なことにのってあげればいいのです。
「また同じ本?!たまには違う本にしない?」などと言っていませんか?
子どもがいつも同じ本を選んぶとしたら、本当にそれが好きなんですね。
親も楽しげに「速そうな電車だね、どれが一番好き?」「この怪獣の名前はなんていうの?」「ふわふわの白い毛が可愛いうさぎさんだね」などと、絵本を通して子どもとの会話を楽しみましょう。
絵本はステキなコミュニケーションの媒体です。そのうち他の本にも興味を示しすので心配いりませんよ。読み聞かせに良い時間はいつでしょうか?親も子どもも時間にゆとりがあり、気持ちがリラックスしている時が一番いいでしょう。- 寝る前のひととき。 ごろん!としながらでもいいですね。
- お風呂上がりに。 ほてった体を鎮めながらゆっくり読んであげましょう。
- 食事の前後。何かと気ぜわしいお母さん自身も落ち着きますよ。
- 外出から帰った後。外での楽しい経験を加えながら創作的な話にしてもおもしろいです。
- お父さんが休日の時。お父さんに読んでもらって、お父さんとのコミュニケーションも楽しみましょう。
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動作に合わせた言葉を使おう
「言葉」はコミュニケーションの大切な手段
言葉は生まれながらに持っているのではなく、環境、特に一番身近な大人である親から後天的に獲得するものです。
単語からはじまって、二語文、三語文へと徐々に複雑な話ができる様になってきます。
しかし、若者たちが単語のみで会話する傾向があるようですが、これはもったいないですね。
家庭ではどんな会話が交わされているでしょうか?母親:「くつ!」これではコミュニケーションになっていません。 動作の言葉、つまり「動詞」がありません。
すると、子どもは靴箱から靴を出して靴を履いている。
子ども:「マヨネーズ!」
すると、母親はマヨネーズを取って子どもに手渡す。
夫:「風呂!」
すると、妻が夫の入浴の準備をする。「○○ちゃん、靴を履きましょうね」この方が、話を聞くほうも優しい気持ちになり、受ける言葉が出やすいはずです。
「お母さん、マヨネーズを取ってほしいな」
「これから、お風呂に入るよ」
相手を尊重したコミュニケーションが成り立ち、良好な関係を築けますね。4~5歳は難しい動作の言葉も理解できる
例えば、「重ねる」「合わせる」「戻す」「分ける」「結ぶ」「通す」「挟む」などなどです。
すると、少し先の話になりますが小学校以降の「国語」の教科はもちろんのこと、「算数」「理科」「社会」の学力がグングン伸びていくはずです。
言語力、文章力が全ての基本であり、幼児期の「今」が大切です。
今から家族が「文章」で会話をする習慣をつけましょう。 -
言葉かけ(2)
言語の発達には乳児期からの言葉かけがとても大切
経験する言葉の数や質が良い、良好な言語環境で育つあかちゃんは、将来語彙力に優れ、言語リテラシー・学力も向上するといわれています。
生後間もないあかちゃんには意味が分からなないだろうからと黙っているのではなく、発語しない時期からたくさん話しかけてあげることが大事なんですね。2歳を過ぎたころから発語する言葉は、それまでに周りの大人が何千回、何万回と話しかけた言葉を覚えていった結果です。
散歩のときには「今日は雲ひとつない快晴だね。空気がおいしいね」、「おそとに出ると気持ちいいね」と話しかけてあげましょう。感情のことばをたくさん使いましょう
発語するようになってから、子どもが自分の気持ちを言葉で表せるように、感情に関する言葉をたくさん使ってみてください。
嬉しいときは嬉しそうに笑いながら、楽しいときは楽しそうな表情で、悲しいときは悲しい顔で、気持ちを表す言葉を話してあげてください。
話しかけるときは必ず子どもの目を見て、言葉と表情で伝えることがとても大切ですよ。
また、危険だからしてはいけないこと、やってはいけないことを伝えるために、「だめ」「あぶない」という言葉も使います。
言葉を理解する前から、なぜだめなのか、理由も一緒にしっかり話してくださいね。
「だめ」なときは「だめ」の表情を作って教えましょう。 -
言葉かけ(1)
「言葉」はコミュニケーションツール
あかちゃんは生まれる前から、お母さんの声や周りの人の声を聞いています。
早い段階から聴力が発達するので、言葉による働きかけであかちゃんの脳を刺激することが大事なんですね。
生後2ヶ月頃からは「ウー」というような泣き声以外の音を発声するようになり、生後5ヶ月頃から喃語(なんご)という初期の言葉、例えば「あぶあぶ」など、簡単な反復の音を発するようになります。
自分の声を聞きながら、発声や発音の練習をしているんです。
あかちゃんはコミュニケーションを欲しています。
大人が言葉でたくさん話しかけてあげてください。
特におむつの取り替えの時は「気持ちがよくなったね」と声をかけてあげると、「気持ちが良い感触」を意識していきます。
子どもと接しているときに言葉をかけてあげると、いつしか自分も言葉で返したいという気持ちになるものですよ。コミュニケーションのしかたを教えましょう
生後8ヶ月頃より自分の名前を呼ばれると、それに応じる様子をみせ、叱ると手を止めてやめるようになります。
1歳頃には意味のある1語文を話すようになります。
大人が話す言葉への理解力も急速に増し「バイバイ」と言うと手を振り、大人が話していると一生懸命「聞こう」という態度をとります。
この時期に大人があかちゃんの話を聞く、聞いて答える、といった反応をみせてあげることが大切です。
「猫さんがいたね、かわいいね」などあかちゃんが感じていることを代弁するように話しかけて、コミュニケーションの仕方を教えましょう。
「話して聞く」をていねいに積み上げていくと、子どもが自分勝手に喋り出してしまうことが少なくなり、自分の意見を言えるようになりますよ。 -
子どもと言葉(2)
子どもがいる前では文章で話す
子どもの近くにいる大人や親は、子どもの顔の表情やしぐさによって、子どもの言いたいことの大半は判断がつくことが多いです。
たとえば、おなかがすいている時、取ってほしいものがある時は子どもの顔や態度で察することができますね。
しかし、そのようなコミュニケーションをとっていると、他の大人や友だちとの正常なコミュニケーションがとれない子どもになってしまいます。
8ヶ月頃からは、「まんま?」「ジュース」など、単語だけ、しぐさだけの受け答えをしないで、主語述語を意識した文章でのコミュニケーションを心がけましょう。
「トイレ」だけでなく、「お母さんはトイレにいってくるね。待っていてね」や「どうしたの、おなかがすいたの?」「ご飯がおいしいね、野菜をたくさん食べようね」と文章を意識した口語で話したいものです。子どもは身近な大人の言葉で学ぶ
子どもが発する言葉は、一番身近な大人である親が発する言葉に似ます。
親が話す言葉に動詞や形容詞がなければ、子どももそっくり同じ話し方になります。
だからこそ、大人は子どもに話すときや家族で話すときは、主語と述語のある文章で話すようにしましょう。
言語はコミュニケーションの手段と共に思考形成にも重要な意味を持っています。
子どもに対しては、大人を相手に話すときより倍の時間をかけるつもりで、ゆっくり子どもに伝え理解させる気持ちで話してあげましょう。