言葉編
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絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせをしていますか?
子どもは親に自分の大好きな絵本を持ってきて「読んで、読んで」とよくせがみます。
親は「またこの本?同じ本ばかり・・・」と少々うんざりしてはいませんか?
たまには親が読み聞かせたい絵本をじっくり聞いてほしいけど、 親の選んだ絵本は最後まで聞いてくれない・・ということもありますね。
でも同じ絵本でいいのです。
子どもが大好きな絵本を、大好きなお母さんやお父さんの膝の上でぬくもりを感じながら見聞きするのですから、こんなに素敵な時間はありません。
絵本の読み聞かせは絵本の内容より、むしろ親子のスキンシップの時間と考えてください。
絵本の読み聞かせは「想像力」や「コミュニケーション力」、「知育」に役立つので、気長に繰り返し読んであげてください。
なにも上手に読む必要はありません。
お父さん、お母さんが心をこめて読み、子どもとの【いい時間】を持つことが何より大切です。
絵本の読み聞かせ効果
絵本の読み聞かせは次のような効果があります。- 語彙が増えます。
「言葉が遅い子」「話さない子」「言葉が少ない子」ももちろん、どんな子にも言語力向上を期待できます。 - 繰り返し読むことで言葉の理解を深めます。
繰り返し読んで欲しいとお願いされたら、言葉の理解力をつけるチャンスですね。 - 絵本で春夏秋冬の季節感を感じ取ることができます。
「ひなまつり」「七夕」「お月見」「クリスマス」「お正月」「誕生日」などの行事を取り扱った絵本がたくさんあるので、選んでみてください。 -
「知育」教材としての役割があります。
子どもは自分の好きなことへの関心や興味が強く『もっと知りたい』という要求があります。
絵本や図鑑は、小さな子どもが知識を得るためのとても身近な教材ですね。 - 「しつけ」の一端を担います。
集中力がない、じっとしていられない、食事中座っていられない、おもちゃの扱いが乱暴、片づけが苦手など、心配なことがたくさんあります。
そんなとき、絵本の読み聞かせを継続すると、落ち着いて話を聞く習慣ができ、しつけも上手くいくようになりますよ。
上手な読み聞かせのポイント
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子どもを膝の上に乗せるか、子どもの横に座って読む。
なるべくスキンシップをとり、肌のぬくもりを親子で伝え合いましょう。
触れ合うことで心臓の鼓動や声の振動が伝わり嬉しい感動があります。 - 読み方は自由。好きな部分だけ読んでもよい。ストーリーにこだわらなくてよい。
作者は厳選した言葉や表現で文章を書いているので、文章のとおり読みたいところですが、聞く子の年齢や興味関心によって、自由に読みましょう。
好きな部分だけ読んでもいいんですよ。 -
親だけでなく、いろいろな人(祖父母、叔父叔母、近所の人など)に読んでもらう。
「親だけでなく、いろいろな人(祖父母、叔父叔母、近所の人など)に読んでもらう」良い点は、いろいろな人とのコミュニケーションが取れることです。
また、親以外の感想や価値観を子どもに伝える良いチャンスになるはずです。 -
読み手が心から楽しんで読むこと。
まず、読み手が「この絵本大好き!」であることが大切です。
読み方で楽しさが子どもに伝わります。 -
繰り返しのあることばなどは、子どもと一緒に声を出して楽しむ。
繰り返しの言葉がある絵本はたくさんあります。
例えば「おおきなかぶ」の『うんとこしょ、どっこいしょ』や「ぐりとぐら」の『ぼくらのなまえはぐりとぐら、このよでいちばんすきなのは、おりょうりすることたべること、ぐりぐら、ぐりぐら』などがあります。
繰り返しの部分は是非、子どもと読み手が一緒に声をそろえて大きな声で言ってみましょう。
絵本選びのポイント
絵本はいつから読んであげたらいいのでしょうか?
「生まれてすぐ」からです。
お父さんやお母さんの優しい声で語りかける良いチャンスです。 生まれたばかりでは、言葉がわからないから話しかけたり絵本を読んでもしかたないと思わないでください。赤ちゃんの脳にはお父さん、お母さんの言葉がちゃんとインプットされます。生まれたばかりでも発達は促してあげましょう。
どんな時に買ってあげればよいのでしょうか?
記念日や節目節目をおすすめします。
大切なプレゼントとして、「お誕生日」「クリスマス」「子どもの日」など、特別な日に渡してあげましょう。
0歳~1歳
- ストーリーより「音」「色」にインパクトがある絵本
赤ちゃんはストーリーを理解することはできません。
「わんわん!」などの動物の鳴き声や「ぴちゃ、ぴちゃ!」「ぶっ、ぶっー!」などの生活の音が出てくる絵本がおすすめです。
色は赤ちゃんにとっては、はっきりした赤・青・黄の原色がインパクトがあります。 - ページ数が少なく、小さい絵本
なるべくページ数が少なく小さい絵本が良いでしょう。
持ち運びが便利です。
ちょっとぐずった時に、電車や車や待合室などでもサッと出せます。 - 子どもがページをめくっても破れにくい絵本
優しい手触りの布でできた布絵本がおすすめです。
たくさん市販されていますので探してみてください。
自分で触ったりめくったりすることにより、五感の中の「触覚」を刺激したり、指先を刺激します。
2歳~4歳
- ストーリー性がある絵本
2歳~4歳になると語彙がだいぶ増えてきます。
簡単なストーリーがある話でも理解できるようになってきます。
「短く」「言葉の繰り返し」がある絵本がおすすめです。 - 子どもの生活と密着している内容の絵本
子どもが朝起きてから夜寝るまでの生活の中の出来事の話は、子どもが親しみを持って聞いてくれるのでおすすめです。
時には主人公の名前を子どもの名前に置き換えて読んであげると喜びますよ。 - 想像力が膨らむ別世界の内容の絵本
絵本の読み聞かせに慣れてきたら「想像力が膨らむ別世界の内容」を選んであげましょう。
子ども自身が話の「つづき」が作れる可能性のあるもの。
「もし~だったら…」と想像力を膨らますことができるものがおすすめです。
5歳以上
- 知的好奇心が広がる内容の本
5歳以上になると、子どもが興味関心を持っていることがもっと知りたいという欲求が出てきます。
0歳~4歳までの絵本に付け加え「図鑑」がおすすめです。
- 語彙が増えます。
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幼児語
赤ちゃん言葉の是非
人間はコミュニケーションがないと生きていけません。
コミュニケーションはジェスチャーや表情などでも伝えることはできますが、「ことば」はとても重要です。
やっと言葉を覚え始めた赤ちゃんや幼児が、「ワンワン(いぬ)」「ブーブー(くるま)」「おちゃかな(魚)」「おたら(皿)」などの赤ちゃん言葉(幼児語)を使います。
可愛いらしい、という点では良いのですが、いつまでも使うという訳にはいかないし、親も気になるので、徐々に直していきましょう。幼児語の種類
- 擬声音で言いかえているもの―「ワンワン(犬)」
- 正しい名称があるのに、別の言葉で言い表しているものー「まんま(ご飯)」
- 音が入れ替わってしまうーテレビ→テビレ
- 母音の変化―エンピツ→エンペツ
- 子音の変化―トモダチ→トモラチ
- 音の脱落―ユービン→ウービン
などがあります。
幼児語が直る目安
3歳くらいまでに、母音が全部正確に操れるようになります。
6歳くらいまでに、子音も全部正しく発音できるようになります。
ただし、「タ行」「サ行」「ザ行」は難しいので、時間がかかる場合があります。幼児語の原因
音を作り出す「舌」「唇」「上あご」の未発達が原因といわれています。
発達が完了すれば、自然に直っていくので、焦らずに待ってあげましょう。
叱って、言い直させたりする必要はありません。親の心構え
可愛らしいからといって、あいまいな幼児語を親も子どもと一緒になって使わないほうが良いでしょう。
「ワンワン」「ブーブー」などの擬声音の幼児語や、「まんま」「おんも」などの別のことばの幼児語は、違う単語を二度覚えなくてはならないので、なるべく使わない方が望ましいでしょう。
もし使う場合は、「ワンワンの犬がいるね」と両方言ってあげると、「ワンワン」=「犬」が結びつくので良いですね。 -
絵本の読み聞かせをしていますか?
子どものそばにいつも絵本を
絵本は知的能力を育てるだけでなく、さまざまな素晴らしい良さがあります。- 「語彙が増える」
- 「情報が豊かになる」
- 「親子のスキンシップがとれる」
- 「生活面のしつけが身につく」
- 「決まった時間に読み聞かせると、生活のリズムができる」
絵本はいつでも子ども自身が取り出しやすい所に置き、身近な存在にしましょう。
また、「毎日」「決まった時間に」「決まった場所で」に絵本の読み聞かせをする習慣をつけましょう。読み聞かせについての Q&A
絵本にまったく興味を示さないのですが…
最初は興味を示さなくても大丈夫。話の内容を理解しないで、どんどんページをめくってしまうのですが「めくる」動作がおもしろいのでしょうね。
2歳前後まではどんどんページをめくってしまってもかまいません。
めくるのを止めないようにしましょう。
読み手は開いたページの絵に合わせて、話をくりひろげてみてください。
3歳を過ぎると「次はどうなるの?」「○○ちゃんかわいそう」などストーリーにも必ず興味をもってくるはずです。
短い話なら充分理解できますので、読み聞かせを繰り返し・繰り返ししていきましょう。
話の内容が理解できなくても、小さいころからの親との「絵本タイム」を楽しむ習慣がとても大切です。いろいろな絵本を読んであげたいのですが同じ本ばかり読みたがります。同じ絵本でもおおいに結構です。
例えば、電車が好き・怪獣が好き・動物が好き・アンパンマンが好き、それぞれ個性がありますよね。
親は子どもの好きなこと、得意なことにのってあげればいいのです。
「また同じ本?!たまには違う本にしない?」などと言っていませんか?
子どもがいつも同じ本を選んぶとしたら、本当にそれが好きなんですね。
親も楽しげに「速そうな電車だね、どれが一番好き?」「この怪獣の名前はなんていうの?」「ふわふわの白い毛が可愛いうさぎさんだね」などと、絵本を通して子どもとの会話を楽しみましょう。
絵本はステキなコミュニケーションの媒体です。そのうち他の本にも興味を示しすので心配いりませんよ。読み聞かせに良い時間はいつでしょうか?親も子どもも時間にゆとりがあり、気持ちがリラックスしている時が一番いいでしょう。- 寝る前のひととき。 ごろん!としながらでもいいですね。
- お風呂上がりに。 ほてった体を鎮めながらゆっくり読んであげましょう。
- 食事の前後。何かと気ぜわしいお母さん自身も落ち着きますよ。
- 外出から帰った後。外での楽しい経験を加えながら創作的な話にしてもおもしろいです。
- お父さんが休日の時。お父さんに読んでもらって、お父さんとのコミュニケーションも楽しみましょう。
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動作に合わせた言葉を使おう
「言葉」はコミュニケーションの大切な手段
言葉は生まれながらに持っているのではなく、環境、特に一番身近な大人である親から後天的に獲得するものです。
単語からはじまって、二語文、三語文へと徐々に複雑な話ができる様になってきます。
しかし、若者たちが単語のみで会話する傾向があるようですが、これはもったいないですね。
家庭ではどんな会話が交わされているでしょうか?母親:「くつ!」これではコミュニケーションになっていません。 動作の言葉、つまり「動詞」がありません。
すると、子どもは靴箱から靴を出して靴を履いている。
子ども:「マヨネーズ!」
すると、母親はマヨネーズを取って子どもに手渡す。
夫:「風呂!」
すると、妻が夫の入浴の準備をする。「○○ちゃん、靴を履きましょうね」この方が、話を聞くほうも優しい気持ちになり、受ける言葉が出やすいはずです。
「お母さん、マヨネーズを取ってほしいな」
「これから、お風呂に入るよ」
相手を尊重したコミュニケーションが成り立ち、良好な関係を築けますね。4~5歳は難しい動作の言葉も理解できる
例えば、「重ねる」「合わせる」「戻す」「分ける」「結ぶ」「通す」「挟む」などなどです。
すると、少し先の話になりますが小学校以降の「国語」の教科はもちろんのこと、「算数」「理科」「社会」の学力がグングン伸びていくはずです。
言語力、文章力が全ての基本であり、幼児期の「今」が大切です。
今から家族が「文章」で会話をする習慣をつけましょう。 -
言葉かけ(2)
言語の発達には乳児期からの言葉かけがとても大切
経験する言葉の数や質が良い、良好な言語環境で育つあかちゃんは、将来語彙力に優れ、言語リテラシー・学力も向上するといわれています。
生後間もないあかちゃんには意味が分からなないだろうからと黙っているのではなく、発語しない時期からたくさん話しかけてあげることが大事なんですね。2歳を過ぎたころから発語する言葉は、それまでに周りの大人が何千回、何万回と話しかけた言葉を覚えていった結果です。
散歩のときには「今日は雲ひとつない快晴だね。空気がおいしいね」、「おそとに出ると気持ちいいね」と話しかけてあげましょう。感情のことばをたくさん使いましょう
発語するようになってから、子どもが自分の気持ちを言葉で表せるように、感情に関する言葉をたくさん使ってみてください。
嬉しいときは嬉しそうに笑いながら、楽しいときは楽しそうな表情で、悲しいときは悲しい顔で、気持ちを表す言葉を話してあげてください。
話しかけるときは必ず子どもの目を見て、言葉と表情で伝えることがとても大切ですよ。
また、危険だからしてはいけないこと、やってはいけないことを伝えるために、「だめ」「あぶない」という言葉も使います。
言葉を理解する前から、なぜだめなのか、理由も一緒にしっかり話してくださいね。
「だめ」なときは「だめ」の表情を作って教えましょう。 -
言葉かけ(1)
「言葉」はコミュニケーションツール
あかちゃんは生まれる前から、お母さんの声や周りの人の声を聞いています。
早い段階から聴力が発達するので、言葉による働きかけであかちゃんの脳を刺激することが大事なんですね。
生後2ヶ月頃からは「ウー」というような泣き声以外の音を発声するようになり、生後5ヶ月頃から喃語(なんご)という初期の言葉、例えば「あぶあぶ」など、簡単な反復の音を発するようになります。
自分の声を聞きながら、発声や発音の練習をしているんです。
あかちゃんはコミュニケーションを欲しています。
大人が言葉でたくさん話しかけてあげてください。
特におむつの取り替えの時は「気持ちがよくなったね」と声をかけてあげると、「気持ちが良い感触」を意識していきます。
子どもと接しているときに言葉をかけてあげると、いつしか自分も言葉で返したいという気持ちになるものですよ。コミュニケーションのしかたを教えましょう
生後8ヶ月頃より自分の名前を呼ばれると、それに応じる様子をみせ、叱ると手を止めてやめるようになります。
1歳頃には意味のある1語文を話すようになります。
大人が話す言葉への理解力も急速に増し「バイバイ」と言うと手を振り、大人が話していると一生懸命「聞こう」という態度をとります。
この時期に大人があかちゃんの話を聞く、聞いて答える、といった反応をみせてあげることが大切です。
「猫さんがいたね、かわいいね」などあかちゃんが感じていることを代弁するように話しかけて、コミュニケーションの仕方を教えましょう。
「話して聞く」をていねいに積み上げていくと、子どもが自分勝手に喋り出してしまうことが少なくなり、自分の意見を言えるようになりますよ。 -
子どもと言葉(2)
子どもがいる前では文章で話す
子どもの近くにいる大人や親は、子どもの顔の表情やしぐさによって、子どもの言いたいことの大半は判断がつくことが多いです。
たとえば、おなかがすいている時、取ってほしいものがある時は子どもの顔や態度で察することができますね。
しかし、そのようなコミュニケーションをとっていると、他の大人や友だちとの正常なコミュニケーションがとれない子どもになってしまいます。
8ヶ月頃からは、「まんま?」「ジュース」など、単語だけ、しぐさだけの受け答えをしないで、主語述語を意識した文章でのコミュニケーションを心がけましょう。
「トイレ」だけでなく、「お母さんはトイレにいってくるね。待っていてね」や「どうしたの、おなかがすいたの?」「ご飯がおいしいね、野菜をたくさん食べようね」と文章を意識した口語で話したいものです。子どもは身近な大人の言葉で学ぶ
子どもが発する言葉は、一番身近な大人である親が発する言葉に似ます。
親が話す言葉に動詞や形容詞がなければ、子どももそっくり同じ話し方になります。
だからこそ、大人は子どもに話すときや家族で話すときは、主語と述語のある文章で話すようにしましょう。
言語はコミュニケーションの手段と共に思考形成にも重要な意味を持っています。
子どもに対しては、大人を相手に話すときより倍の時間をかけるつもりで、ゆっくり子どもに伝え理解させる気持ちで話してあげましょう。 -
子どもと言葉(1)
2歳頃までの言葉の発達は
あかちゃんは、0歳から2歳までには20語くらいの言葉を発し、2語文まで話すことができます。
また「おしっこ」と自分の要求を言葉に出せるようになり、「がまんね」という言葉で自分をコントロールできるようになります。
自分の身の回りのモノの名前も理解し、大きい、小さいなどの言葉と、その意味も理解していきます。
大人が「ちょうだい」と言うと自分が持っているものを渡してくれたり、「ありがとう」と言うとうれしそうな顔をしたり、頭をちょこんと下げたり、相手の言葉に対する反応も覚えていきます。あかちゃん言葉はいつまで使っていいの?
「まんま」「ぶーぶー」といったあかちゃん言葉で話すのはなんとなくほほえましいものです。
しかし、それが全く抜けずにいつまでも幼児語やあかちゃん言葉で話しかけると、幼稚園などの社会に出たときに子ども自身が困ります。
10ヶ月を過ぎた頃から社会を意識し、誰にでもわかる言葉で話すように心がけましょう。
「わんわん」は「いぬ」へ、「ぶーぶー」は「くるま」へ。
「あかたん」は「あかちゃん」といった具合に普通のしゃべり方、発音に変えていきましょう。 -
子どもをほめる言葉
叱るのは大事なところで ほめることとのメリハリが大切
「可愛くば 2つ叱って 3つ誉め 5つ教えて 良き人にせよ」という昔の言葉があります。
叱るより多くほめて、ほめる以上にたくさん教えることの大切さを表していますね。多くの育児書には「ほめて育てましょう」と書いてあります。
そうはいっても、叱ることとほめることはバランスが必要で、叱る場面ではしっかりと叱らなければなりません。
叱るときは、その行動のいけない理由を伝えること、次はこうしようと教えることを必ずセットで行います。
そして、いけないことをしてしまうときの気持ちを良く聞いてあげることも大切ですよ。「叱る」は最小限に
叱らなければいけないときはどんなときか、あらかじめ決めておくと、冒頭の2・3・5の法則のように、叱る場面はそんなに多くないものです。
「子どものしかり方」にも詳しく書いているのでこちらも参考にしてくださいね。
別の良いところを上手にほめることで、叱らずに済むこともありますし、子どもの行動があらかじめ予想できるような場面では、約束をしておいて「お約束覚えてるかな?守れるかな?」と声掛けすることで、子ども自身に気付かせることもできます。ほめるポイントは具体的に
どんちゃか幼児教室ではほめて子どもを伸ばす教育しています。
例えば、「○○ちゃんの姿勢は、背中がピンとしていて素敵ね」と一言ひとりをほめると、他の子も「わたし(ぼく)もほめられたい」と思うのでしょうね、他の子もすぐにいい姿勢に変化します。
ほめることは叱ることより効果があるのです。
上手なほめ方は、できるだけ具体的に、結果ではなくプロセスに注目し、時には質問をして子どもの考えたことに共感してあげることです。○○ちゃん、お母さんが言わなくてもおもちゃを片付けられてすごいね!どうしてお片付けしようと思ったの?
そっか、早くお出かけしたかったからだね。
お片付けができてるとすぐに出かけられるもんね。お母さんも助かったよ!「明・楽・元・素」ことばは子どもを伸ばす
「明・楽・元・素ことば」とは、「明るいことば・楽しいことば・元気なことば・素直なことば」のことです。
「明・楽・元・素ことば」を紹介するので、これらのことばと、子どもの具体的な行動や考えを一緒にたくさんほめてくださいね。望ましい様子を表現する- すごい!
- いいね!
- かっこいい!
- 仲良くできたね
- 最後までやったね
- 頑張ったね
- すてきだね
- 元気だね
- よくできたね
- 泣かなかったね
- ひとりでできたね
- 約束が守れたね
- りっぱだね
- 早い!
- 一番!
- その通り!
応援してやる気を促す- やってみよう
- だいじょうぶ
- 上手!
- 良い調子
- 簡単だね
共感して一緒に喜ぶ- 楽しいね
- きれいだね
- おいしいね
- すばらしね
- おもしろいね
- やったあー!
- 好き
- ありがとう
まとめ
しっかり叱って、たくさんほめて、親の価値観を子どもに伝えていきましょう。
たくさん誉められた子は、意欲的で心が安定し自立できるようになります。
お友だちにも優しくできる笑顔が素敵な子になりますよ。 -
子どもが意欲を出す「励まし」と「褒める」言葉
子どもががんばっているこんな場面では
子どもが何かに挑戦してみた結果、失敗したりくじけてしまい、次の行動へ意欲をなくしてしまうことはよくあることです。
例えば初めての洋服のボタンかけでのこんなケース…どんちゃんは3歳になり自立心がだいぶ芽生えてきました。
日頃からお父さんお母さんから「どんちゃん、ひとりでパジャマが着られるようになるといいね。今度チャレンジしてみようね。」と言われていました。
どんちゃんは「ようし!今日は最後まで、自分ひとりでパジャマを着てみよう!」と意気込んでいます。
まず、ズボンはひとりで履けました。
それから上着も着ることができました。
ここまではどんちゃんはニコニコ顔で意気揚々です。さあ!一番難しいのはボタンかけです。
大きなボタンが3つ。
穴にボタンを差し込むことはできるのですが、何度やってもボタンを穴から引っ張り出して上手に収めることができません。
だんだんイライラしてきました。
ついには「もうできない!やらない!」とかんしゃくを起こし泣き出してしまいました。
「泣かないの!」と叱りますか?
黙って見過ごしてしまいますか?
子どもが失敗して落ち込んだり、やる気をなくしている時こそ、子どもに励ましの言葉をかけてあげましょう。励ましの言葉
子どもが「失敗しても大丈夫」「また頑張ってみよう」と意欲を出す魔法の言葉があります。
その魔法の言葉を紹介するので、お父さんお母さん、ぜひ声に出して言ってみてくださいね。やってみよう!「どんちゃん、諦めないでもう1回やってみようね!どんちゃんならきっとボタンがかけられると思うよ。お母さんはできるようになるまで応援しているからね。」ちょっと背中を押してあげてたらもう1回チャレンジしてみようと意欲がムクムク湧いてきますよ。見ているよ「どんちゃんがボタンをかけるところを お父さん最後までずっと見ているよ!がんばれどんちゃん。」結果だけでなく行動のプロセスが大事です。
ボタンかけに挑戦している様子を目を離さず最後まで見守っていてあげてください。
お父さんお母さんがずっと見ていてくれると、子どもは嬉しくなって頑張れるものです。もう1回!「どんちゃんは諦めないところがステキ!すごいと思うよ。何度も繰り返してやってごらん。ほーら、さっきより上手になったし早くボタンがかけられるようになったね。もう1回!やってみようね!」繰り返しは大切です。何度も繰り返すことで出来るようになります。
さっきより上手になったよの声かけで成功体験を重ねて、自分に自信を持てる子に育てていきましょう。がんばって!「そう、そう!どんちゃんがんばって!」親の励ましは一番嬉しいものです。
ずっと言い続けるのではなく、ここは難しくて頑張っているな、というポイントで言うと効果的です。間違えてもいいよ「そういうやり方もあるね。そのやり方でもできそう?間違えてもいいよ、いろいろやってごらん?」間違えることに臆病になるのは叱るからです。
お父さんお母さんが考えていたやり方、教えた方法と違う場合につい口を出し「違う、違うでしょ!」と叱ってしまいます。
お父さお母さんに叱られることが怖くなって、間違えることはいけないことだと思い込んでしまいます。
決して叱らずに、子どものやり方を認めてあげましょう。失敗してもいいよ「がんばったね。失敗してもいいんだよ、またやってみようね」子どもは失敗しながら上手になって成長していくものです。
もし子どもが失敗したらどうしようと心配していたら「失敗してもいいよ」と励ましの声をかけてあげてください。
失敗してしまっても、がんばったプロセスをほめ、次回の期待を込めて声をかけましょう。きっと大丈夫!「どんちゃん、もうすぐボタンがかけられるようになるね。楽しみだね。どんちゃんならきっと大丈夫!」安心感を与える言葉です。子どもは達成する近い未来を想像することができます。
安心したらもう一度やってみようと意欲がわいてきます。進め!「どんちゃん、そう、その調子。進め!進め!」背中を押して、行動を促す言葉です。
「がんばって」と同じような言葉ですが、自信をなくしそうになる気持ちを前向きにして、元気と活力を呼び戻す応援の言葉です。チャレンジしてみよう「どんちゃん、大きなボタン3つかけられたね。スゴイ!今度は小さいボタンを4つにチャレンジしてみようね。」少し「上」を目指すことも大切です。
少し上の目標にチャレンジして、小さな達成感をたくさん得られると、挑戦と失敗を恐れない子になります。
達成できたら「お兄さん(お姉さん)になったね」の言葉を付け加えるのも良いですね。やればできる「やったね、どんちゃんはやればできるね!」できたときの言葉がけも大切です。
少し難しいことにチャレンジして、時間はかかったけれど出来た!というときには、お父さんお母さんはその瞬間を逃さず、子どもの自信につながる言葉をかけてください。一生懸命だね「どんちゃんは諦めないで頑張っていて一生懸命だね!そんなどんちゃんが大好き!」あきらめずに頑張っている姿勢を認めてあげてください。
子どもが集中している時は声を掛けずに静かに見守り、子どもの手が一段落した時にがんばっている様子が素敵だと、お父さんお母さんの気持ちとして伝えてあげてください。
結果だけではなく、プロセスを認めてあげることはとても励みになります。いいことあるよ「ボタンかけの次は何にチャレンジしてみる?きっといいことあるよ、楽しみだね」他のことにも挑戦したいと思わせる、期待と安心を与える言葉です。
何か一つ達成したら、子どもに意見を聞いてみて、挑戦する気持ちを前向きに導いてあげましょう。むずかしかったね「むずかしかったね!どんちゃん、こんな難しかったことができるようになってすごいね。」がんばった子どもの気持ちに共感してあげましょう。
親が子どもの気持ちを共有してあげると、自分のがんばりを理解してもらえている安心感と、達成したときの自信につながります。ほめる言葉
ほめる言葉かけは「またやりたい」という意欲の源になります。
ほめるタイミングはその時その場が大切!あとでほめるのはNGです。チャンスを逃さないでください。
また結果だけでなく、子どもの行動をよく観察してプロセスをほめることを忘れないようにしましょう。
ほめ方は優しい口調で、言葉+心からの笑顔+しぐさ ですよ!「できたね!」「じょうず!」「天才!」
できたことや、その出来栄えを心からほめられたら嬉しくなるし、自信が持てますね。
「天才!」は大げさですが、ときどき使うと効果的です。「すごいね!」「かっこいい!」「すてき!」
がんばる様子、がんばる姿勢をほめて、その結果もほめられたらうれしいですね。「うれしい!」「またやってね」「ありがとう!」「助かったよ」
大人の役に立てた、期待されている、感謝されている、と感じると子どもは誇らしい気持ちになりますね。